次亜塩素酸水とは

次亜塩素酸水とは、次亜塩素酸という塩素を含んだ弱酸性の水のことです。
弱酸性次亜塩素酸水、微酸性次亜塩素酸水などは、これはまったく同じモノです。
よく似た名前に、次亜塩素酸ナトリウムというのがあります。これは、強アルカリ性の液に次亜塩素酸が含まれているモノです。
次亜塩素酸というのは、私たち人間が体内で細菌やウイルスをやっつけている物質です。
次亜塩素酸水は「私たちの身体を細菌やウイルスから守っている次亜塩素酸を含んだ水」となります。
この次亜塩素酸は細菌やウイルスを除菌します。だから、除菌効果があります。
この次亜塩素酸は臭いの元を作る菌を除菌したり、有機的臭いを破壊します。だから、消臭効果があります。

どのような菌やウイルスに有効なの?

下図には、地球上のほぼすべての菌やウイルスが入っています。
もっとも除菌が困難な菌である芽胞菌にも強い除菌力を示すのが次亜塩素酸水です。
アルコールや逆性石鹸は一般的な菌が持っているエンベロープという触覚のようなものを破壊して感染力を奪います。しかし、菌の中にはこのエンベロープを持たず、殻のようなものに包まれて保護され、体内に入ってから感染力を発揮するもの(ノンエンベロープという)もいます。
次亜塩素酸水は、このような菌の防御システムを破壊します。だから、アルコールや逆性石鹸では除菌できない菌も除菌できるのです。
ノロウイルスも、ノンエンベロープウイルスのひとつですが、アルコールでは除菌できなくても。次亜塩素酸水なら除菌できるという理由はこういうことです。

次亜塩素酸水の種類について

次亜塩素酸水といっても世の中には数多くの種類があり、生成方法やpH値によって成分の安定性等が異なります。
ここではそれらの違いについて説明します。

1)生成方法による違い

●電解水…塩酸または塩化ナトリウム水溶液を電気分解して生成。

●混合水…次亜塩素酸ナトリウム(=水道水の高度処理技術にも使用されている)と希塩酸を水で希釈混合し、中和されることで生成。

電解水、混合水は、共に効果・安全性においては、どちらも変わりはないとされています。

ただ、電解水と混合水の違いとして、電解水は手軽に大量に生成する事ができる反面、成分の安定性が不安定なため分離が早く、混合水に比べ劣化が早いとされています。

2)塩素濃度の違いによる安定性

市販されている次亜塩素酸水には、濃度の違う商品(おおよそ200ppm〜500ppm)が存在します。
濃度が高いほど希釈して使えるので経済的かと感じますが、高濃度の商品は成分が安定せず分離する確率が高いため、輸送時の衝撃などによって分裂が起こります。そのため濃度の低い次亜塩素酸水と比較すると、濃度の高い次亜塩素酸水は成分の安定性が低く、劣化が早いとされています。

次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムとの違い

次亜塩素酸ナトリウムとは

次亜塩素酸水と同じ「次亜塩素酸」が名前に付いているのが次亜塩素酸ナトリウム(次亜塩素酸ソーダ)です。
この両者の違いは何だと思いますか?

次亜塩素酸ナトリウムというのは強アルカリ性です。
次亜塩素酸はpHが酸性になればなるほど分解スピードが速くなります。

【用語説明】pHについて

強アルカリ性なら、逆に分解スピードは遅くなります。
60,000ppm(次亜塩素酸ナトリウム6%)とか120,000ppm(次亜塩素酸ナトリウム12%)という、
超高濃度で流通できているのは、これは次亜塩素酸ナトリウムは強アルカリ性だからです。
逆に、次亜塩素酸水は弱酸性です。高濃度だとすぐに失活してしまいます。
次亜塩素酸水は500ppm以下でしか流通させられないのです。

次亜塩素酸ナトリウム塩素濃度の表示について

次亜塩素酸ナトリウムには、12%、6%、3%というパーセンテージで表示されています。

12% 120,000ppm
6% 60,000ppm
3% 30,000ppm

塩素は、この塩素濃度がとても大事です。これは絶対に覚えておきましょう。

【用語説明】塩素濃度について

市販されている次亜塩素酸ナトリウムの塩素濃度はとてつもなく高い数値です。このままではとても使えない危険な濃度です。
よって、水で薄めて(希釈)使います。
台所用除菌剤は60,000ppm(失活を考慮して50,000ppm公示)です。
これをつけ置き洗いなら100倍の500ppm、人が触れる場合は800倍の60ppm程度に薄めて使います。
ほ乳瓶洗浄剤は10,000ppmです。
これを80倍の125ppm程度に薄めてつけ置き洗いなどに使います。
塩素商品は各商品ごとに、しっかり使い方が明記されています。

次亜塩素酸水は弱酸性なので失活しやすく、超高濃度ではすぐに失活してしまいます。
別会社調べでは、3,000ppmで2日後に2/3が失活して1,700ppmになります。
5日後には3,000ppmが800ppmにまで失活します。

塩素濃度が高いと失活がはやい

次亜塩素酸ナトリウムの使用期限は濃度で異なります。
・12%…製造日より約3ヶ月
・ 6%…製造日より約6ヶ月
・ 3%…製造日より約12ヶ月
価格はほとんど変わらないので、コストパフォーマンスは12%、保存期間の長いのは3%となります。
どちらを重視するのか?は用途で決まります。

ここで注意すべきなのは、使用期限の間も失活は間違いなく進んでいるということです。
常温保存では使用期限までには30%ぐらいは失活していると考えましょう。

次亜塩素酸水は弱酸性なので、さらに失活が加速します。
ただ、次亜塩素酸ナトリウムに比べて濃度を低くすることで失活は穏やかになります。

次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムとの比較

次亜塩素酸ナトリウムと次亜塩素酸水…選ぶならどっち?
これは上記ですべて説明できています。
コストパフォーマンスは次亜塩素酸ナトリウムが断然です。超高濃度で入手できますのでかなり割安になります。
その他は次亜塩素酸水がダントツに抜きんでています。
・次亜塩素酸ナトリウムの1/8の濃度で同等の除菌力を出せる
・塩素濃度は低濃度で使うので高い安全性がある
・弱酸性なので生き物に優しく、漂白作用も少ない

次亜塩素酸水 次亜塩素酸ナトリウム
コスト面
除菌力
安全性 ×

次亜塩素酸水の失活について

次亜塩素酸水の失活とは、塩素濃度が下がってしまい、除菌能力が弱くなるもしくは無くなってしまうこと、
簡単に言うと、次亜塩素酸が減ってくるということです。

失活条件

温度 温度が高いほうが失活スピードは速くなりますが、35℃を超えると一気に加速します。
近年は日陰でも35℃を超えることがあります。
また、異常に熱くなった外気が当たることでも温度が上がります。
紫外線 一番の大敵は紫外線です。
400ppmが透明ボトルですと5時間でほぼ失活します。
遮光ボトルでも白は紫外線を通してしまうので失活します。
唯一失活しなかったのは黒ボトルです。
黒もしくはコバルト色が遮光に最適です。
時間 これはどうしようもないので、失活は次亜塩素酸水の宿命だと考えるしかありません。
どうしても失活させたくないのであれば、冷凍保存になります。
消費期限は、冷暗所保管で3ヶ月、冷蔵保存で6ヶ月です
有機物との接触 次亜塩素酸水は有機物と接触すると、失活し、水になってしまいます。
接触 これはお使いになる容器などは洗ってから使うぐらいしか、対策はありません

失活対策

保管場所 できる限り冷蔵庫保管してください。冷暗場所なら、気温が高くならず陽が絶対に当たらない場所にします。
どうしても長期間使わない場合は冷凍保管します。
買いだめは× 冷蔵庫保管なら6ヶ月で使い切れる、冷暗場所なら3ヶ月で使い切れる量を購入しましょう。